「イエスが救い主であると証しする」

A. 65回目の「原爆の日」

 今年、65回目となった広島の「原爆の日」(8/6)、原爆を投下したアメリカは、平和記念式典に初めて政府代表としてルース駐日大使を派遣しました。日本のある遺族は、米国の大使が初めて参列することを、「十数万人もの人を殺しているのに、遅すぎる」と強い口調で批判しました。一方、広島に原爆を投下した米軍B29爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長ポール・ティベッツ氏(故人)の息子は、このことについて、「そうすべきではなかったと思う」と不快感を示しました。米国人の中には、原爆投下が戦争終結を早め、多数の人々の命を救ったとして、「当然、正しいことをした」と考える人たちは未だに多いのです。こんな時こそ、お互いの不完全さを認め、共に救い主に目を向けることが大切です。
 パウロの宣教の中心問題は、いつでも、イエス様が救い主であるという事実でした。

B.聖書より

(2)パウロはいつものように、ユダヤ人の集まっているところへ入って行き、三回の安息日にわたって聖書を引用して論じ合い、(3)「メシアは必ず苦しみを受け、死者の中から復活することになっていた」と、また、「このメシアはわたしが伝えているイエスである」と説明し、論証した。 使徒言行録17章2〜3節
 パウロの宣教の中心問題は、いつでも、十字架に掛かり、復活したイエス様こそ救い主である、ということでした。初代の使徒たちは、イエス様が旧約に預言されていた救い主であると、宣べ伝えることに命を掛けていたのです。パウロは、イエスの苦難(十字架の死)と復活との意味を、何とかして人々に分かってもらいたいと努力しました。

C.えひめ丸事件の後で―米海軍原子力潜水艦のワドル元艦長

 2001年、ハワイのオアフ島沖で、愛媛県立宇和島水産高等学校の練習船えひめ丸(5百トン)が、急速浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦グリーンビル(7千トン)に衝突され、3分間で沈没しました。乗務員の35人のうち、えひめ丸に取り残された教員5人、17才の生徒4人が犠牲となりました。また、救出されたうち9人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されました。
 クリスチャンである米潜水艦のスコット・ワドル艦長は、弁護士や海軍の反対を押し切って、えひめ丸での犠牲者の遺族に、直接謝りたいと来日しました。ワドル元艦長は愛媛県宇和島(うわじま)のホテルで、事件の生存者4人と面会し、涙をこらえながら深く謝りました。ワドル元艦長は、事件直後、遺族に謝りたいと願いましたが、軍がそれを許可しなかったため、辞任するまでは来日できなかったのです。
 ワドル氏は、事件によって彼の人生観は全く変わったといいます。そして、現在ではフルタイムで講演活動を行い、「失敗は、決して終わりではない」というメッセージを伝えています。「人生では、逆行したり、失望したりすることがある。しかし、それらの出来事自体は、私たちがどんな人間であるかを決めはしない。人がどんな人物であるかを決めるのは、それらの危機の後に、どうリアクト(反応)するかである。人が真に評価されるのは、成果ではなく、いかに苦難を耐えるかである。いつでも自分を見失わずに、誠実でいられるかが大切なのだ」と氏は語っています。
 イエス様により罪が赦されることを知っているワドル氏は、誰のいいなりにもならないしっかりした人格を持っています。そして、悔い改めの大切さを伝えることで、救い主を受け入れる大切さを行動で示しているのです。

D.結び

 宣教の中心問題は、いつでも、十字架に掛り、復活したイエスこそ救い主です。王の王であるイエス様に従い、平安を与えられ、世界平和を実現させていただきましょう。

御翼2010年8月号その4より
  
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